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革の手入れ
  1. はじめに
  2. 革のお手入れの基本
  3. 革の汚れについて
  4. 革の傷について
  5. 保革剤の必要性
  6. 革が濡れてしまったら
  7. 最後に


1. はじめに


革の手入れは、品物や素材の種類、ご使用状況やその頻度等により対処法が異なります。例えば、当店の製品にも多く用いるタンニン革等の染料仕上げの革は、手入れ剤の選択を誤るとシミになってしまうことがあるため十分なご注意が必要です。また、革靴に用いられるツヤ出し手法や、ライダース用品等のオイリング手法をそのまま鞄や小物に転用するべきではありません。理由として、ツヤ出しは毛穴を塞ぎ革の持つ通気性を損ない、着色クリームは衣服へ色移りの恐れがあります。また、後者のオイリングは革の柔軟性や耐水性をあげるためだけに用いるべきであると考えているためです。基本的に、自然な仕上げの革ほど自然につきあってゆくことが最良の方法と感じています。以下、皆様方のレザーケアの手助けとなれば幸いです。 ※以下の方法を実践される場合は、念のため自己責任の元でお願いいたします。


2. 革のお手入れの基本

とにかく基本はこまめなブラッシングと乾拭きです。 目では確認しづらいですが革には無数の毛穴があります。 そこに塵や埃・汚れなどをため込めないように心がけましょう。表面加工のされていない革であればブラッシングしたのち、 時々湿らせて固くしぼったきれいな布で全体を均一に拭いてもよろしいかと思います。 この時、水分により一時的に革の変色がおこりますが、ほとんどの場合乾けば元にもどります。 ただし、染料仕上げの革は色が若干濃くなることもありますので拭き作業を均等に行うことがポイントとなります。 なお、このあとに保革剤を塗布する場合は完全に乾いてから行ってください。


3. 革の汚れについて

「顔料仕上げの革は付着汚れ」「染料仕上げの革はシミ汚れ」といったように、革の汚れは種類によって、気になるポイントが大別されます。付着汚れに対しては消しゴムなどで擦り取る方法があげられます。ただし、この方法は部分的に汚れが取れることによるムラなど、逆効果にもなりやすいので、汚れに対してピンポイントで行うことをおすすめいたします。やはり、前項の日々のお手入れで未然に防ぐことが何よりです。

ヌメ革や染料仕上げの革についたシミ汚れはレザーソープを使って洗うことによりきれいになる場合もあります。ただし、この作業は水を使うため失敗のリスクと多少の思いきりが必要です。ここでのポイントは、付着汚れの時とは逆に部分的に行おうとしないことです。どちらにしても淡い色の革は汚れやすいものといった割り切りが必要です。リペア業者などでは復元と称して顔料塗料の上塗りで汚れ隠しをする所も少なくないようです。個人的には、そのような方法は不自然になりがちで革にとって最良の方法ではないと感じています。汚れも傷も当たり前くらいに考えることが、革にとっては大切な場合もあるのではないでしょうか。


4. 革の傷について

革の傷についても、上記の汚れ同様に顔料仕上げか染料仕上げかなど、革の種類よって付き方が異なります。 当アトリエで扱うタンニン革は、適度に油分を含んでいるため、傷がついても布で擦ることにより目立たなくなります。その方法で改善しない場合でも、長い時間の経過とともに革のエイジングが進み、徐々に馴染んで行く場合もあります。逆に顔料仕上げの革は、細かい傷はつきにくいももの、色剥げなどでみすぼらしい印象になりがちです。こうなるとタンニン革のように擦っても馴染みませんので、目立たなくするためには着色するしかありません。どちらにせよ、革の表面(吟面)が削れてしまった場合は本質的な回復の余地はなく、擬似的なカモフラージュ以外の方法はありません。革の種類を問わず、切目仕立ての製品であれば、コバの再仕上げにより全体的な印象をアップさせることが可能です。とにかく、傷が気になってしまう方はスムースな素材はできるだけ避け、シボや型押しの入った素材を使った製品を選択されることをおすすめいたします。


5. 保革剤の必要性

革の風合いや性質は水分と油分のバランスにより保たれています。革のメンテナンスというと、とかくミンクオイルに代表される油分補給がとりざたされますが、主に鞄や革小物にとってこのような方法は適切ではありません。程よい油分を与えるためには、きれいな手でよく触ってあげるだけでも十分です。表面が乾いていると感じた場合など、定期的なメンテナンスにはデリケートクリームによる水分補給をおすすめいたします。防水剤や撥水剤等のご使用は実用性の向上には役立ちますが、革の風合いを保つ向きにはおすすめいたしません。表面保護の際は、植物油配合の密蝋ワックスがよろしいかと思います。


6. 革が濡れてしまったら

革が濡れてしまった時は、乾いたタオルなどで押し拭くように水分を取り、形を整えて風通しのよい所で陰干ししてください。 濡れた革を強く絞ったり、ドライヤーなどの急な熱で乾かしますと、硬化や変質・変形等の原因となりますので絶対に行わないようにしてください。また、革に必要な水分が乾燥と同時に抜けていってしまいます。完全に乾いていることをご確認の上、デリケートクリームによる水分補給を行ってください。必要に応じて油分を補充し、よく浸透するまで数日間保管し、その後十分に乾拭きを行ってください。


7. 最後に

何はともあれ、愛着をもってご使用いただくことが最善のお手入れ法ではないかと思います。大切に保管し過ぎることが、硬化や雑菌の繁殖につながる場合もございます。 ただし、紫外線は変色や退色の原因になるため直射日光下に放置することは避けてください。また、革の栄養補給等よりも無理な使用で型くずれさせないことも製品の状態を保つためには重要です。以上が当アトリエの所感です。「革選びの基礎知識」としてこちらでも解説をしております。あわせてご一読いただくことで、より一層ご理解を深めていただければ幸いです。


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